[3D-CADモデル]
CADなんて仕事で使う人でなければ無縁だと思われるかもしれません。扱ったことのない人にとっては、3D-CADなんて2Dよりももっと高度で難しそうな響きがすると思います。しかし、詳細情報を必要としない場合は、作りたい物の雰囲気がわかりやすくてとても便利なソフトなんです。特に、最近流行っているDIYにも活躍してくれるのでお勧めです。今回はフリー(無料)ソフトを使って椅子を作るまでをご紹介します。
どんな椅子にするか考える
3Dモデルを作ろうにも、どのような椅子にするかを考えておかないと、どうすることもできません。
一言で椅子と言っても、背もたれの有無、椅子の足の太さ、グラつかないように補強する箇所等を考えておかなければなりません。
四角や丸や自分で好きなように作れるとなると、夢が広がります。ですが、「作りたい=作ることができる」ではないことだけ頭の端に入れておいてください。そうでないと、途中で力尽きてしまうからです。
でも、大丈夫です!今回は3Dモデルを使用するので、実際に作る前にどのような椅子になるのかイメージしやすくなっています。出来そうかどうかを作り始める前に確認できるのも、モデリングの良いところです。
3D-CADソフト選び
[SketchUP Make]
まずはモデリングするために、3D-CADソフトを選びます。ソフトは高価なものもありますが、フリーソフトもいくつか存在します。今回使用したのは、SketchUP Make(無料版)です。(有料のPro版もあります。)
これを選んだ理由は、インストールが日本語で分かりやすかったことと、30日間のお試し期間後も営利目的でなければ使用し続けることができる点です。
(英語の得意な方は他のソフトでも問題ありませんが、使い方はソフトによって違うので、ご注意ください。)
インストール
[ダウンロード前の情報登録:ステップ1]
インターネットでSketchUpを検索して、ダウンロードしようとすると、ステップ1として使用目的が聞かれます。今回はDIYが目的なので、「個人的なプロジェクト」を選択します。
[ダウンロード前の情報登録:ステップ2]
ステップ2では、Eメールアドレス、関心事、ライセンス契約に同意するかどうかが聞かれます。それぞれ入力またはチェックをすると、ダウンロードのボタンが赤くなるので、クリックして進みます。
その後も手順に従って進み、解凍ファイルをダウンロード&実行します。
ディスクトップ上にショートカットが表示されれば準備OKです。
起動
[テンプレート選択画面]
SketchUpのショートカットをダブルクリックして、ソフトを立ち上げます。
初心者用に動画で使い方を見ることもできますが、英語なので私は完全には理解できませんでした。英語が苦手な方は、使ってみて慣れる方が早そうです。
まずは、テンプレートを選択します。今回は椅子を作るので、木工-ミリメートル-を使用しました。
テンプレート選択後、右下の「SketchUpを使い始める」をクリックすると、ソフトが起動します。
3Dモデルを描いてみましょう
[3Dモデル作成]
では、実際に3Dモデルを描いてみましょう。今回はおおまかなイメージをつかむことを目的としているので、詳細情報は必要としません。
[長方形アイコンで2Dを描く]
長方形のアイコンを使用して、使用する木材の大きさを描きます。(描き始めはどこでも良いですが、x,y,z軸が交差している原点を使用すると分かりやすいと思います。)
初めに始点をクリックし、対角を選択するか、作りたい大きさを右下の寸法に「数値,数値」のように入力/決定することで長方形を描くことができます。
[プッシュ/プルで3Dに変換]
平面(2D)を3Dにするには、プッシュ/プルを使用します。先ほど描いた長方形上にカーソルを持っていくと、ドット柄に変化するので、ドラッグするか、クリック後作りたい大きさを右下の距離に入力します。
これでりっぱな3Dモデルが完成します。後は、夢いっぱいの椅子に近づけるようにモデリングをしていきます。立体のモデルなので、形はもちろん、色を付けることで色彩の雰囲気を確認することもできます。
使用するアイコン
3Dモデルの描き方は分かっても、椅子のモデルを作るにはもう少し必要なアイコンがあります。全部覚えなくとも、マウスポインターをアイコンに持っていき、数秒すると何に使用するアイコンかを説明してくれます。
よく使用するものだけ、簡単に記述しておきます。
・消しゴム :不要な線を消す。
・[メジャー]ツール:距離を測る。(別のモデルを描き始める場所を決める際に使用)
・オービット :モデルを色々な角度から見ることができる。
・パン表示 :モデルを見やすいように移動する。
・ズーム :大きさを変える。(使用しているマウスによっては、ホイールを前後に転がすことでも可能)
・全体表示 :作成したモデル全体を見えるようにする際に使用する。
・マテリアル :色や質感を付ける際に使用する。
データ保存方法
ファイルをクリック後、「名前を付けて保存」をすることで、作成途中でも保存しておくことができます。保存先は次回作成したい際に分かりやすい箇所であれば、どこでも構いません。
印刷方法
ファイルをクリック後、「印刷」をクリックしても印刷できます。ですが、まずは「印刷プレビュー」をクリックして、モデルが正しく印刷されるかどうか確認することをお勧めします。
材料と道具の用意
[材料と道具]
3Dモデルが完成したら印刷をして、材料と道具をそろえましょう。
椅子作り
[寸法を測る様子]
作成した3Dモデルのように作っていきます。木材を切る場合は、寸法を測ったり、のこぎりで切ったりと頑張りましょう。ホームセンターなどで木材を購入する際に、指定した寸法に切ってくれるサービスがある場合もあるので、確認してみてください。
椅子完成!
[完成した椅子]
今回は、いただいた木材を使用して作ったので、長さが足りずに金具で補強した箇所もありますが、大人が座っても大丈夫な立派な椅子ができました。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございました。
おうちでDIYをしようと思った際に、3Dモデルを作ってみるとイメージがつかみやすいので、作りたい物を人に説明する際にも役立つと思います。
また、作っている途中でネジがぶつかってしまうアクシデントも避けられると思うので、ぜひ活用してみてください。